継続的な”インターン体験”で得た「実社会で使える力」
日本を代表する企業のインターンとして、企業から出される課題にチームで挑戦する課題解決型の学習プログラム『企業インターンワーク』。
本レポートは、2019年度に『企業インターンワーク』に取り組んだ生徒・学生のみなさんを対象に実施したアンケートの結果をまとめたものです。インターンに取り組んだみなさんからいただいた感想を集計・分析してワークの内容を改善すること、探究学習やキャリア教育の基盤づくりに貢献することを目的としています。
概要
[調査期間]
・2019年4月1日~2020年3月31日
[調査対象]
・9校(千葉、東京、埼玉、大阪、神奈川)
[回答数]
・2,532名
Ⅰ. チームワーク力/コミュニケーション力に関するアンケート結果
1. チームで楽しんでワークに取り組むことができましたか?
2. チームで役割分担をすることができましたか?
フリーコメント
・アイディアを考えるのは難しかったですが、よりよい企画を考え、たくさんの人に見てもらえるようにと思いながらつくるのはとても楽しかったです。(高校2年生)
・アイディアを出して、チームで得意なことで分担して、互いの苦手なところを補い合って協力してできた。(高校1年生)
・インターンをとおして、グループ内での自分の役割などがわかってとてもよかったです。(高校1年生)
ー 生徒は大人でも難しいと感じる本格的な課題に取り組みました。その中で、86%の生徒が、チームメイトと協力しながら楽しんで課題解決に取り組めたこと、課題解決に向けたリサーチやアイディア出し、プレゼン資料の準備といったプロセスをとおして、各自が長所を生かしてチーム内で適切な役割を見つけていったことがわかります。他にも、取り組みをきっかけに仲が深まった、互いの知らない面を知ることができたといった感想も多く、チーム内で活発にコミュニケーションが行われたことが伺えます。
3. チームで立てた計画に合わせて活動することができましたか?
4. チーム内のさまざまな意見に気づくことができましたか?
フリーコメント
・チームで計画をつくり、そのとおりに行動することができた。(高校1年生)
・自分たちで計画どおりに進めることの難しさを知った。(大学1年生)
・全く知らない人が集まって、その人たちの意見を聞くことで自分には無かった考えを得たことが印象的だった。(大学3年生)
ー 73%がチームで立てた計画に合わせて活動することができたと回答しており、毎回の授業時間を土台にして放課後や休日も使って計画的に進めたことがわかります。一方で、他の授業の課題や試験、部活動との兼ね合いを考慮した上で計画を立てたものの、計画と現実のギャップを実感したという感想もありました。「チーム内のさまざまな意見に気づくことができましたか?」という質問には、84%の生徒・学生ができたと回答しました。同じ課題に対して、自分とは違うアイディアを出すチームメイトや、全く違うアプローチで解決策を導いた他チームのプレゼンに接して、多様な考えがあることを学んだという声が多数上がっていました。
Ⅱ. 課題発見・解決力/プレゼンテーション力に関するアンケート結果
5. 指令に応えるために必要なことを調べることができましたか?
6. チームで積極的にアイディアを出すことができましたか?
フリーコメント
・IoTやSDGsなど知らないことがたくさんあったけど、この機会に知ることができた。(高校1年生)
・作業を分担してそれぞれがよい意見を出し合うことができた。(中学3年生)
・指令の内容が思ったよりも難しかったけれど、そのおかげでチーム内で意見を共有したり今までとは違う考え方をしてみたので、物事を別の観点から見ることができるようになった。(高校1年生)
ー 情報収集に関して、「とてもよくできた」「できた」と答えた生徒・学生が87%いました。タブレットを導入していた学校も多く、多くの生徒が課題解決のために情報機器を活用していたことがわかります。また、解決すべき社会問題や新しいテクノロジーなどについて、この機会に知ることができてよかったという声もとても多く上がっていました。チーム内でアイディアを出すことについては、最初は課題が難しくて戸惑っても、ブレインストーミングとリサーチを交互に繰り返したり、チームメイトの視点に助けられたりする中で、徐々に自分たちのアイディアが出せるようになっていきました。
7. 調査結果やアイディアを企画にまとめることができましたか?
8. プレゼンの仕方を工夫することができましたか?
フリーコメント
・どのようにしたら相手に伝わりやすくなるのかをチームのみんなで考えたり、簡潔にまとめるために意見を出し合って準備をすることができた。(高校1年生)
・仕事をするときに必要になってくる、調べたことをわかりやすくまとめる力、プレゼンをする力など、多くのことを学ぶことができた。(高校1年生)
・パワーポイントを使って人に伝えるための工夫や方法をたくさん学べた。(大学1年生)
ー 84%の生徒が、調べたことやアイディアを、プレゼンテーションに向けて「まとめる」ことができたと回答しました。ただまとめるだけでなく、どうすれば伝わるか・わかりやすいのかと、常にアウトプットをするときの形を想定してまとめていたことがわかります。また、73%の生徒が、「プレゼンの仕方を工夫できるようになった」と回答しており、実際に試作品をつくってきたり、寸劇や替え歌を披露したり、「サマー・スクール」等で学んだ方法を生かしてわかりやすいスライドをつくるなど、試行錯誤を重ねて工夫したことがわかります。
Ⅲ. 職業理解/自己理解/自己肯定力に関するアンケート結果
9. インターン先企業についてよく知ることができましたか?
10. インターン先企業やそこでの仕事に興味を持つことができましたか?
フリーコメント
・普通の生活を送っていたら知ることのできない企業理念などを知ることができたのはいい経験になった。(高校1年生)
・普段意識しないで利用していたコンビニを詳しく調べたことで、コンビニで販売されている商品にも興味を持つようになった。(高校1年生)
・今、身近でない新聞というテーマを調べて、世の中に情報を与える役目はとても難しいけれど、やりがいのある仕事だと思った。(大学1年生)
ー 89%の生徒・学生が、インターン先企業について「とてもよく知ることができた」「よく知ることができた」と回答しました。特に日常では関心を持つ機会のない企業理念などを調べることで、企業が大切にしていることや目指していることを知り、企業への親近感や信頼感につながったことがわかります。企業での仕事に対しては、77%の生徒・学生が「興味を持った」と回答しました。最初はほとんど知らなかった企業の仕事でも、“インターン”として取り組むうちに、その社会的な意義やそこで働く人がしている工夫を知り、興味を持つようになったことがわかります。
11. 自分の得意なことや好きなことに気づくことができましたか?
12. 将来仕事をする時に使えそうな自分の力に気づくことができましたか?
フリーコメント
・自分のできることやできないことに気がつくことができてよかった。(中学3年生)
・はじめて編集などをしたので最初はうまくできずに苦しんでいたが、毎週やるうちに段々うまくなってきて、編集が楽しくなってきた。(高校1年生)
・みんなと一緒にひとつのことをクリアする大切さや助け合いの精神を知ることができた(高校1年生)
ー 自分の得意なことや好きなことに「気づくことができた」と57%の生徒・学生が答えました。チームで協力して課題を解決しようとする過程で、できることとできないことを理解し、現段階での自分の個性を把握したことがわかります。企業からの本気の課題に向き合うことで、ひとりではできなくてもチームで協力することで乗り越えられたことを実感し、チームメイトに感謝する感想も多く見られました。また、長期間の取り組みでは、苦手だったことが、徐々に能力を発揮できるようになり、最終的には自分に向いていることがわかったり、楽しくできるようになったという声が多数ありました。
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